ウィズ・ユー DIGGING TO CHINA 映画レビュー・作品紹介 *Cinema Note
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ウィズ・ユー DIGGING TO CHINA

アメリカ 1997年 99分
製作:Davis Entertainment Classics、ほか  配給:セテラ

あらすじ

空想が好きで独特の世界を持つ少女と知的障害を抱える青年との心の交流を描いたハートフル・ドラマ。
監督を務めるのは俳優のティモシー・ハットンで、この作品が監督デビュー。

1960年代のアメリカ・ペンシルヴェニア州。10歳のハリエットは、母親が経営するモーテルで姉のグウェンと3人暮らし。父親は幼い頃に家出し、母親はアルコール中毒、年が離れた姉は男好きでみさかいがない。ハリエットは、自分の本当の居場所を探す旅に出ることを夢見て、地球の裏側まで穴を掘ろうとしたり、宇宙人と交信を試みたりする日々を送っていた。
そんなある日、モーテルに知的障害を持つリッキーという青年とその母親がやってきて、しばらく滞在することになる。ガンに侵されたリッキーの母親は、自分が逝った後の息子の身を案じて養護施設に預ける決意をしていた。
学校でも疎外されているハリエットと、友達のいないリッキーはすぐに仲良くなり、交流を深めていくのだが・・・。

スタッフ

監督: ティモシー・ハットン
製作: マリリン・ヴァンス、アラン・ムヴルカ、ジョン・デイヴィス、J.トッド・ハリス
E.P.: エシー・ストロー、デイヴィッド・T・フレンドリー、ステファン・ネメス
脚本: カレン・ジャンセン
撮影: イェルゲン・ペーション
音楽: シンシア・ミラー
美術: ロバート・デ・ヴィーコ
・・・ほか

キャスト

エヴァン・レイチェル・ウッド (ハリエット)
ケヴィン・ベーコン (リッキー)
メアリー・スチュアート・マスターソン (グウェン)
キャシー・モリアーティ (ママ)
マリアン・セルデス (リッキーの母親)
・・・ほか

レビュー

<ネタバレあり>
いい!
お涙頂戴の感動ストーリーではなく、じんわりと心が温かくなるような仕上がりで、わたし好み。
ただ、「ウィズ・ユー」っていう邦題は、涙を誘うようなイメージでつけられているんだろうけど、原題の「DIGGING TO CHINA」に比べて、ずいぶん安っぽくなっていて残念。
母親の突然の事故死や、姉が隠していた自分の本当の生い立ち、心からわかり合える友達になったリッキーと、2人の関係に対する大人たちの反応、リッキーとの別れ...。家から逃げ出すことばかり考えていたハリエットが、んなリッキーを通して自分の境遇を受けとめていくラストは、風が吹き抜けていくようなさわやかな気分にさせてくれる。
そのハリエットを演じたエヴァン・レイチェル・ウッドは、これがスクリーンデビュー。アメリカでは、TVでもおなじみの人気子役だったようで、「ウィズ・ユー」以降も「プラクティカル・マジック」や「シモーヌ」「サーティーン」など話題作に出演。
リッキー役のケヴィン・ベーコンの演技もいい。ちょっと無理があるかなと思う場面もあるけど、表現の難しい役どころに挑戦する役者魂を感じた。母親の病気も自分の障害も全部理解して、施設に入ることも、ハリエットと別れることも嫌だけど自分ではどうしようもできない。そんなもどかしさや苦しさがよく伝わってきてよかった。
グウェン役のメアリー・スチュアート・マスターソンはどこかで見たことあるなーと思ったら、「フライド・グリーン・トマト」だった!ずいぶん派手で化粧も濃いから、ピンとくるまで時間がかかった。
ティモシー・ハットンは俳優としての名前のほうが有名だけど、こういう映画を撮れるなら、映画監督としてもっといろんな作品を撮ってほしい。

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